ハムストリングの主な機能として、股関節伸展と膝関節屈曲作用が挙げれます。しかし、立位など足を床につけた荷重位での運動(いわゆるCKC)では、膝関節屈曲作用ではなく、反対に膝関節伸展作用として働くことを知っていますか?
なぜ、膝伸展作用が起きるのか?
荷重位において、膝関節屈曲60度までは、ハムストリングのレバーアームは股関節が膝関節より大きい為、ハムストリングの収縮時によって膝関節屈曲よりも股関節伸展の方が勝り、結果として膝伸展が起きます。
ただし、このハムストリングの伸展作用をもたせるには骨盤を水平位保持させて、股関節に垂直方向への固定力を与える必要があります。
その為に、腸腰筋や多裂筋などのインナーマッスルがしっかり働いて、骨盤、股関節を安定させることも大切になります。
臨床への展開
臨床で、立位や歩行時に膝が屈曲位のままで伸びないケース。
膝を伸ばす為に大腿四頭筋の強化を考えがちですが、ハムストリングが原因だった場合、効果がみられません。効果がないばかりか、過剰に大腿四頭筋を働かせ過ぎると、膝関節のスクリューホームムーブメントを阻害して、余計に膝の伸展がしにくくなるケースあります。
CKCではハムストリングも膝伸展作用があることも配慮して、臨床での仮説・検証作業を実施して頂ければ幸いです。
コメントを残す